そもそも「アルシナシオン」とはなんぞや。

ことの起こりは1994年、今(2015年)から21年前になります。
詳細は省きますが、私が初めてプレイした女神転生は「if…」で、あまりにも嵌ったせいで
1995年同人描きました、当時の人脈でエロ同人でした。
こっちは「if…」を元に構成したまぁ二次創作的なモノでしたが、同年冬にもお声が掛かり、
「今度は少なくとも舞台やキャラはオリジナルでやりたい」と思い
舞台は当時住んでいた札幌、ちゃんと方々取材して回り、フィルムカメラで何枚くらいかなぁ
かなり撮って資料にして舞台は万全、

さて、キャラをどうするか、そこで先ず組み立てたお話がこの「アルシナシオン」の原型でした。
拝み屋(今の基準だと「祓いの力」を持った人)十条弥生と、その助手にして愛人の日向葵のコンビ。

で、ここで当時の友達に舞台とかイメージを話していたら友達がキャラを一人
デザインしてくれました、多分このキャラもアルシナシオン結構後半に登場すると思いますが
折角友達が作ってくれたキャラですし、魅力的なキャラでしたし、
でもこのキャラの相手には弥生は向かない(ちょっとキャラ被ってる)
そこで生まれたのが十条弥生の姪で、祓いの力はあるモノのちょっと特殊で偏った力を持った
十条裕子と言うキャラでした。

弥生はこの二次プロットの段階で「既に退場した身」として扱われることに。
ただし、葵は継続して「裕子の尊敬する叔母の忘れ形見」的な立ち位置で
まぁそれでもやっぱりエロ同人なんで結構いいようにいじられるんですがw

「何故弥生は退場するに至り、葵は残されたのか」
これについてはその後も黙々と練り続けて一応その骨子は出来たんですが
描きたいこと、やりたい事に対して「資料不足・実力不足」が露わとなり頓挫したのが2001年だったかな。

絵や漫画だけじゃなく、つたないながらも文章でお話を展開することを
「喫茶店物語」で始めて(もう引っ込めてますがw)
2006年暮れから始めた「Sorenante JoJo?」で書き進めるウチに
それまでの自分では余り掘り下げなかったタイプのキャラである「ルナ=リリー」がいたく気に入り、
そしてここからがまた何かの縁と言いますか、
2007年にオンゲで「真・女神転生IMAGINE」が正式スタートし、私も
自キャラを自由に設定できるゲームが好き、仲魔という概念が好きということで
ルナを「百合原 瑠奈」としてファーストキャラとし遊び始め、
専用SNSなどで日記的ネタ漫画を始めそちらにどっぷりになったわけですが

ここから先は玄蒼市奇譚に少し被る話になります、
夢で見た現実のどこか現代の町を舞台に繰り広げられる、人と魔の地味ながらも
じわりじわりと蝕んだり直したりを繰り返す攻防、先ずここが気に入り、
「玄蒼市奇譚」の骨子を考え始めるわけですが「第一話」に相当するモノを
どうしても思い浮かべられなくて設定だけをモンモンと積み上げてましたときに
「SNSの日記魔ンガ」の方でも「フィミカ様は正体不明のナゾの人」
と言う扱いをしていたことで、「バスターの能力とは違う」別の、そしてもっと原始的というか
人の才能がモロに左右する「祓いの力とそれを操るものたち」
と言う存在も考え出します。
IMAGINEの方でもその設定に倣って「四條院沙織」「天野宇津女」という二人のキャラ、
そして「四條院」「十条」「天野」という祓いの一族がほぼ出来ました。
そこまでで2010年辺りかな

玄蒼市は舞台そのものが隔離された環境で、「そこでしか通用しない科学や技術や文化がある」
と言う感じでしたが、そう言う限定的な世界は別に普段我々が過ごす日常の隣にもあるもので

そこでまた2014年のある日、夢を見ました。
同人で実際に描いた「日向葵」は高校生なのですが、これが中学生で
弥生が居なくなって寂しい思いをしつつも近所の人達も優しくしてくれて
何とか一人暮らしを継続しているという舞台でした。
その夢の中の葵(一人称だったり神の目線だったり二人称的に見たそれ)が
とっっっっっっても可愛かったんです。
赤い柔からそうなほっぺたに大きな目で、回りの大人達も
「こんな健気で可愛い子を放って十条さんはどこ行ったんだろうねぇ」
と言う感じで微笑ましく見てると言う舞台でした。

ここが「アルシナシオン」の直接の動機です。
メインである骨子のストーリーばかり考えてきましたが、
最初に骨子を考え出してから19年目にして「周辺の出来事・人物」を考え出したんですよ。
そうしたら導入編である第一話も浮かんで参りました、そうなったらもう書くしかありません

そして、夢で見たあの可愛らしさは再現不可能でも、可愛い葵クンと
今までちゃんと描いたことがない弥生もしっかりと描きたくなり、
2015年、考え始めてからじつに二十年目にして初めて「黄金コンビ」を
ちゃんと描けたんです、地味に嬉しかったw

十八禁エロ同人描いてたときのキャラと骨子なのでエロ設定もあるんですけれど、
私はこの「エロならではの縛り」に縛られつつこれが嫌いでした。
30代に入ってそう言うのを断ち切るために色々あって、同人の世界からも
広く人の目につくような舞台からも遠ざかり、HPと言う場で
細々と好きな物を好きなように展開する、
ということを10年やって、初めて20年前の「エロ込み」のキャラ達を
そのエロの毒をなるべく含ませないように、でも折角の設定なんですから
その個性を殺さないようにやって見ようと思える所まで来ました。


アルシナシオン(L'hallucination)とは
元々FC版「女神転生I・II」のアレンジ版CDに於ける
IIの「魔界のテーマ」に付けられたアレンジ曲のタイトルが
「Hallucination〜魔界幻想〜」で、
95年当時メガテン同人の時に「魔界幻想」という日本語タイトルを使い、
同年冬の「裕子や葵の出てくる札幌を舞台にした」エロ同人の方に「真・魔界幻想」
と付けたのが元になっています。
Hallucinationとは幻想の意味もありますが現在では「幻覚」の意味に使われる言葉で
20年前は日本語タイトルから切り取りましたが、
今回は英語タイトルから、それをフランスの綴りにして
定冠詞を抜いたフランス語読みをさらにちょっとオリジナルの読みにして
「Hallucination→(hを発音せず、tionをあえてシオンと読み)アルシナシオン」
と言うわけです。

ちょっと常識とずれた、日常の中の幻覚、
そういう気持ちを込めて名付けました。

それでは、20年越しにきちんと動くことになる
十条弥生と、日向葵のコンビをどうぞ。


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